自分の生きがいと、喜びに満ちた慈善活動。
「生きがいの善活」はじめませんか?
慈善団体とは「慈善活動を行うことを目的とする団体」といえるでしょう。慈善活動を実行する主体には、私が行っているような個人としての活動もあれば、企業や組織といった団体の活動もあります。
この本でおすすめしているのは「個人の生きがいとしての慈善活動」ですが、決して団体の慈善活動を否定しているのではありません。むしろ団体による慈善活動は世の中を支える重要不可欠な存在と思っています。団体による慈善活動について、私が理解しているかぎりのことをお伝えしたいと思います。
先ず、慈善活動を行う「組織」として最初に思い浮かぶものとして赤十字、ユニセフ、あしなが育英会といった団体があります。
団体が活動を行うには資金が必要ですが、それは主に募金や会費でまかなわれており、団体の活動は個人の活動に比べて金額的・地理的な規模が大きいものになります。
そして直接個人で活動を行うよりも、そういう赤十字のような団体に寄付をする、あるいはボランティア活動に参加する方法が、個人としても行動しやすいといえるでしょう。
つまり、個人の慈善活動と団体の慈善活動は対立するのではなく支えあう関係にあると考えればスッキリ理解できるのではないでしょうか。
慈善団体の多くはNPO法人(特定非営利活動法人)として活動しています。
認証されたNPO法人の数は、平成17年で2万5千以上、そして10年後の平成27年には5万以上という膨大なNPO法人数にふくれあがっています。
その中で、運営組織及び事業活動が適正であると認められた「認定NPO法人」と認められたのは、平成27年度8月末現在でわずか885法人です。
これだけ多くの団体があるというのは、なんとも驚きですね。
参考:内閣府NPOホームページ
https://www.npo-homepage.go.jp/about/toukei-info/ninshou-seni
団体を運営するには、支援物資を送るにも輸送費がかかりますし、水道光熱費や経理処理をする人件費などの最低限の「必要経費」がかかります。
慈善活動に関わる団体の殆ど全てが健全な運営を行い、募金や会費で集めたお金の大半を慈善活動そのものに費やしていると信じたいです。
しかし数万となる団体の中には、ほんの少数かもしれませんが、慈善活動よりも人件費などに殆どが費やされている団体もあるかもしれません。
問題は、私たち一般人にはそれ(団体が健全に運営されているかどうか)を見分けるのは困難であることです。
大変に残念なことであり、まれなケースではありますが、世の中には慈善活動という名目での詐欺行為も存在することも認めざるを得ません。
私たちが慈善活動への参加をためらってしまうのは、こういう悪質な行為への警戒感が邪魔をしているのが大きな要因ではないでしょうか。
その心配を取り除くには、信頼できる大きくて有名な慈善団体を選ぶ、というのがひとつの安全な方法といえると思います。
赤十字やユニセフのような慈善団台、あるいは県や市町村などが主体の団体を選ぶ、というのも良いでしょう。
日本の多くの企業が、様々な社会貢献活動に参加しています。最近はCSR(=Corporate Social Responsibility)という言葉をよく耳にしませんでしょうか。
CSRは「企業の社会的責任」と日本語に訳されることが多いようです。社会的責任という言葉の通り、法律を守ったり、安全な製品を提供したり、地域や社会に貢献するなど幅広い意味合いがあります。
この「企業の社会的責任」の重要部分として、企業の慈善活動が位置づけられると思われます。大企業になれば金額も大きく、社会的影響も多大なものがあります。
だからそういう企業活動を尊敬こそすれ、否定する気持ちなど一切ありませんし、CSRの一部としての企業の慈善活動が広まるのは大変良いことだと思います。
ただ、企業の中でCSRに従事する人にとって、その活動は自発的な行為というよりも会社の業務として命じられた仕事といえるのではないでしょうか。
ただ、私が提唱する善活は「個人の生きがい」を目指した小さな活動、という違いがあるだけです。